株式会社環境システム社は、「10年先のキレイを保つ清掃品質」の徹底により、日本全国の数多くの温浴施設・病院・福祉施設・飲食店などの清掃業務を請け負っています。
これから飲食店や食品加工の経営を始めようと考えている人は、「グリストラップは設置しなければならないのか」、「なぜグリストラップの設置が必要なのか」と、悩んでいるのではないでしょうか?
グリストラップの設置の有無によって企業開始資金の見積もり金額も変わるため、予算を立てる上でもグリストラップに関する知識を身につける必要があります。
この記事では、地域によっても異なるグリストラップの設置・運用についての法律を簡潔にご紹介します。
グリストラップの設置に関しては、法律と条令が都道府県ごとに定められています。そして、それらは地方自治体のウェブサイトなどで公開されています。「法律」や「条令」と聞くと難しいと感じる人もいると思います。
そんな方に向けて、この記事では東京都を例にあげて、守るべき法律や条令についてわかりやすく簡潔にご紹介していきます。守るべき法律や条令をおろそかにすれば、開業の予定日が遅れる事態にもなりかねません。法律や条令に関しては、事前に確認しておきましょう。
グリストラップにかかわる法令は、「建築基準法施行令」、「下水道法」、「水質汚濁防止法」を母体とした上で、各都道府県や各市区町村が地域の事情を考慮して条例を制定しています。
公共下水道に排出する場合は「下水道法」河川や海などの公共水域に排出する場合は「水質汚濁防止法」に基づきます。都道府県や各市区町村によっては、より厳しい排水基準値を条例として定めています。
グリストラップの設置に関しては、「地域の条例」でどのように定められているかが最終的な決め手です。そのため、その曖昧さを補うように「地域の条例」で詳細に定められているケースが多いのです。
グリストラップの設置に関する「地域の条例」は、各都道府県の水道局のホームページで確認することができます。ホームページで確認できなかった場合は、各都道府県の相談窓口を利用して問い合わせをしてみるのも良いでしょう。
汚水が油脂、ガソリン、土砂その他排水のための配管設備の機能を著しく妨げ、又は排水のための配管設備を損傷するおそれがある物を含む場合においては、有効な位置に阻集器を設けなければならない。(参考:東京都下水道局)
この規程からわかるように、東京都内において、飲食店や食品加工施設を経営するには、阻集器、つまりグリストラップを設置しなければなりらないということがわかります。
グリストラップは「設置さえすれば、法律や条例に従ったから大丈夫」というわけではありません。
営業していく中で、その後の「維持管理や運用」が必要です。
管理や運用を促すために、清掃頻度は「地域の条例」によって、清掃を行うことで出たゴミは「廃棄物処理法」によって適切な対応がされるように定められています。
グリストラップの設置に関してだけではなく、掃除の頻度についても条例で定められている場合があります。定められている回数や期間は、地域によって異なりますが、順守しなければ罰金が科せられることもあります。
グリストラップの管理・運用に関する「地域の条例」も、各都道府県の水道局のホームページで確認しましょう。
この清掃方法が義務化されているというわけではありません。 ただし、衛生的にも生ゴミは毎日処理すべきですし、汚れを蓄積するとグリストラップの機能を果たせなくなりますので、下水道法の基準値をクリアできなくなってしまいます。
グリストラップの清掃で出たゴミは、「産業廃棄物」として、処分しなければなりません。浄化槽で浄化できないほどの油脂を含むため、「廃棄物処理法」によって、厳格に処分することが定められています。地域によっては浄化槽を設けて、排水の浄化を行う場合もあります。
しかし、飲食店からの排水には多くの油脂が含まれているため、浄化槽だけでは取り除けません。浄化槽が持つ本来の機能を損なわないためにも、グリストラップを必ず設置しましょう。
廃棄物処理法に違反すれば、1,000万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役、法人は3億円以下の罰金が科せられます。また、産業廃棄物の処理は、処理業者に委託することができます。
処分業者から産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行を受け、5年間保管しておきましょう。
事業者は、事業活動に伴って生じた廃棄物を、自らの責任において適切に処理しなければならない。
グリストラップを設置するには、一般的に「除害施設設置等届」、「位置図」、「平面図・縦断図・構造図」、「グリストラップ選定計算書」、「仕様書」の書類の提出が必要です。必要書類は、市区町村によっても異なります。
申請窓口となるのは市区町村の下水道課の場合が多いため、書類に関しての問い合わせも下水道課へしましょう。
条例で定められていないのであれば、グリストラップを設置していなくても違反にならないため、設置するべきかどうかを迷う人もいるのではないでしょうか。開業予算を計算する場合に、「グリストラップの設置費用を省くことで費用を抑えたい」と考える人も多いでしょう。
結論から申し上げますと、条例がなくてもグリストラップを設置するのがベストです。
条例がなくても、排水管の詰まりを防ぐためだけでなく、環境への配慮という点から考えて、グリストラップを設置することは大変良いことです。食品衛生法の観点から審査を行う保健所は、グリストラップを設置していない飲食店に対しても、営業許可を出してくれるケースがあります。
しかし、水質基準に関して、下水道法や市区町村の条例をクリアするには、グリストラップの設置が必要となる可能性が高いのです。
ここからはグリストラップを設置することに関するメリットだけでなく、デメリットを含めて考えてみましょう。
グリストラップを設置するメリットを、排水管の詰まり、臭い、害虫、CSR(Corporate Social Responsibility)という4つの観点から見てみましょう。
厨房や調理場からの排水を排水管に流す前に、グリストラップ内に排水を通すことで生ゴミを集め、油と水を分離します。
生ゴミと油脂が、排水管に流れないようにすることで、排水管の詰まりや臭い、害虫の侵入を防ぐ効果が期待できます。
CSR(Corporate Social Responsibility)つまり「企業の社会的責任」も常に求められています。
そのため、経済活動以外にも環境に対する企業責任を果たすことが大切です。
環境に対してや厨房・調理場の衛生管理においての企業責任を果たすためにも、グリストラップの設置は有効となります。
グリストラップからの悪臭防止策について、以下の記事で詳しく解説しています。是非合わせてお読みください。
グリストラップを設置する上での主なデメリットは、「清掃の手間」です。
清掃には労力も時間も必要なため、わずらわしさを感じる人も多いです。しかし、前項であげた排水管の詰まり、臭い、害虫、CSRの観点からすると、清掃の手間よりもメリットのほうが大きいのです。
清掃費用は必要になりますが、プロの手を借りることでデメリットは解消できます。
グリストラップの清掃方法について、以下の記事で詳しく解説しています。是非合わせてお読みください。
グリストラップを設置するとき、その「設置費」と「運用費」の2つの費用を考えておきましょう。
初期費用ともいえる設置費以外にも、清掃にかかる運用費が必要です。
常に清潔な状態を保つためには、適切な清掃ができるように運費用を計画しておく必要があります。
グリストラップを設置する費用ですが、これはグリストラップのサイズによって異なります。
平均して、設置費用は『60万~150万円』程度かかると想定しておきましょう。グリストラップは、店舗の規定の水質基準を越えないように管理できる容量であるかどうかによってサイズが変わります。
タイプは浅型、深型、床置き型、素材はFRP製(繊維強化プラスチック)やステンレス製、モルタル製があります。
自分で清掃した場合の相場は、清掃する際に使用する掃除用具代にかかる費用が主です。
掃除の負担が減るような、グリストラップ専用の掃除用具も販売されています。
プロの清掃業者に依頼した場合の相場は、1回の清掃費用は250リットル以下の場合で「19,000円~35,000円」を見積もっておきましょう。業者による清掃費用は、汚泥や廃油の量、清掃方法で変わります。
グリストラップの保守点検を毎日行う必要がある理由は、設置しただけでは、グリストラップを設置したことで得られる効果を維持できないからです。グリストラップの効果を最大限に発揮させるためにも、保守点検を毎日行い、常にベストな状態を保てるようにしましょう。
グリストラップは、一般的に3つの槽に分かれています。
そのため、清掃箇所は大きく分けて3つです。清掃頻度については、その箇所によって異なります。
毎日の清掃が必要な箇所は、第1槽に設置されている「バスケット」です。
ここには大きなゴミが溜まります。細かいゴミはバスケットの編み目を通って沈殿します。この沈殿した汚泥は、2〜3日に1回すくいます。
第2槽には、水面に油脂が膜となって浮いています。この油脂の膜を2〜3日に1回除去しましょう。
第3槽のトラップ管は、フタを外して2~3か月に1回、長めのブラシやたわしで磨きます。
グリストラップの清掃は、「きつい」「汚い」「危険」の3K業務です。
「きつい」点は、飲食店としての営業以外の労働として、清掃をしなければならないからです。さらに、グリストラップは床に設置されているため、清掃をする体勢も中腰やかがんだ姿勢のため、「きつい」と感じる人がほとんどです。
「汚い」点は、排水を流し込む場所であるため、悪臭があります。生ゴミが溜まっていたり、油脂が膜をはっていたりと、視覚的にも「汚い」です。
「危険」な点は、油汚れが多いため、グリストラップの周辺が滑りやすくなっていることや、腐食した金属部分を触ることで、怪我をするおそれがあるということです。
どれだけ毎日頑張って、グリストラップを綺麗に清掃したとしても、新品のような「完璧」な状態にすることは難しいです。
しかし、プロである専門業者は、専用の洗剤や機器を使用して清掃します。それに加え、実績を重ねて培った技術があるからこそ「完璧」に綺麗な状態にできるのです。
グリストラップは、定期的に清掃・点検しないと劣化やトラブルの元になってしまいます。自分たちではできない作業もあるため、定期的にプロの業者に依頼し、清潔さや安全作業をお願いしましょう。
環境を守るためだけでなく、排水管の詰まりも防ぐ重要な役割を担うグリストラップは、法律を熟知したプロに保守点検や産業廃棄物の処理を依頼することで、安心して営業することができます。
更には「地域の条例」など、すべてにおいて違反することの無いようにサポートしてくれます。普段から自分でできる保守点検の方法などについても、アドバイスを受けることできます。
今までに色々な店舗や施設で、多種多様なグリストラップの清掃の実績を重ねたプロの清掃業者だからこそ、清潔で綺麗な状態にできます。
プロに清掃を依頼することで、グリストラップを常に清潔な状態で保てるだけでなく、自身や従業員の清掃の負担を減らせます。労働環境が改善し、企業イメージや集客力アップにもつながるでしょう。
グリストラップは設置するだけでなく、その後の保守点検についても継続して行わなければ意味がありません。グリストラップの機能を維持して、効果を十分に発揮させるには、従業員だけの清掃では無理なことも多いです。法律や条例で定められている基準値を熟知している、プロの清掃業者の力を借りるのが一番良い方法です。
グリストラップの清掃を幅広い地域で提供し、色々な店舗で清掃を行った実績とknow-howを持つ弊社へ1度お問い合わせください。法律や条例を違反することなく、メンテナンス・清掃から最終処理までしっかりサポート致します。
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