株式会社環境システム社は、「10年先のキレイを保つ清掃品質」の徹底により、日本全国の数多くの温浴施設・病院・福祉施設・飲食店などの清掃業務を請け負っています。
レストランやカフェといった飲食店の業務用厨房には、油脂分を分離するグリストラップの設置が事実上義務付けられています。
水と一緒に、油脂分を下水道に流してしまうことのないようにするのが、グリストラップの役割です。
環境のためにも必要なグリストラップですが、悪臭や排水管詰まりといった問題がよく生じます。
グリストラップが詰まってしまう原因やその対処法、予防方法をご紹介します。
「排水管詰まり」を引き起こさないためには、定期的な清掃が重要です。
その目安となる頻度を守っていても、排水管が詰まってしまった場合には、業者に依頼することもできます。
各ご家庭でも、洗面台やキッチンの排水口にゴミがたまると、排水管が詰まってしまいます。
詰まりを引き起こさないように、こまめにゴミを取り除いたり、清掃したりしています。
業務用厨房のグリストラップが詰まってしまう原因とは、具体的にどのようなものが考えられるのでしょうか。
生ゴミは、通常シンクのバスケットやネットによって集められるようになっています。
バスケットによってしっかり生ゴミがキャッチされていればよいのですが、グリストラップの内部に入ってしまうとグリストラップが詰まる原因になります。
バスケットはもちろん、グリストラップの内部にも生ゴミが混入していないかどうかを確認する必要があります。
詰まっていないとしても、生ゴミが蓄積すると悪臭の原因にもなるため、定期的に清掃するようにしましょう。
グリストラップからの悪臭防止策については以下の記事で詳しく解説しています。是非合わせてお読みください。
下水道に流れる水と、油脂分を分離する役割を果たしているのがグリストラップです。
飲食店では、一般家庭とは比べものにならない大量の料理を作るため、しつこい油汚れが詰まりの原因となってしまうことがあります。
油脂分が混ざった排水が排水管を通ることで、排水管の内部で水の流れを遮って詰まってしまうのです。
排水に混ざっている油脂分は排水管の中で気化して、管の上部に汚れとして蓄積されていきます。
これが長い間続くと水の流れを遮ってしまい、グリストラップがつまってしまいます。
放置することで固まっていき、表面を徐々に油汚れが覆っていくため、気付いたときには素人ではお手上げ状態になってしまうこともあります。
油汚れは蓄積することで、清掃が難しくなるため、できるだけ定期的に清掃するようにしましょう。
グリストラップが詰まってしまう原因として、異物混入も考えられます。
お客様のテーブルから下げてきた食器の中におしぼりや割り箸が隠れていて、一緒にシンクの中に置いてしまうこともあります。
飲食店では大量の食器を急いで洗わなければならないため、気付かないうちにおしぼりや割り箸を排水管に流してしまうこともあります。
3槽構造にもなっているグリストラップで3槽全ての部分を異物が通過することはまれですが、可能性は否定できません。
もし下水道まで届いて詰まってしまうと、復旧までに多くの時間や費用がかかってしまいます。
異物が流れていないかこまめに確認することはもちろん、定期的にグリストラップ内部のチェックや清掃を行いましょう。
グリストラップが詰まってしまった場合、できるだけ早く詰まりを抜きたいです。
店内に悪臭が漂ってしまう可能性もありますし、水があふれ出してしまっては大変です。
しかし「業者に依頼すると費用がかかりそう……」という場合は、まずは応急処置方法をしてみましょう。
トイレが詰まってしまったときに、よく使われるのがラバーカップです。
グリストラップもトイレと同じように、ラバーカップで詰まりが抜ける場合もあります。
長期間放置していた頑固な詰まりには、効果がない場合もありますが、軽い詰まりであれば解消される可能性があります。
もしものために、手が届くところに、ラバーカップを常備しておくとよいかもしれません。
そのラバーカップの形状にはいろいろな種類があるため、排水口に合ったものを使うと、より詰まりが抜けやすくなります。
排水口を覆うようにラバーカップを押し当て、密着させながら圧力をかけます。
圧力をかけたラバーカップを引き上げ、この工程を何回か繰り返すことで詰まりが解消されます。
グリストラップの詰まりを抜くための専用洗剤が、数多く販売されています。水と油脂分を分離するためのグリストラップでは、油汚れが詰まりの原因となっていることが多いですが、専用の洗剤を使うことで、水が乳化してさらさらと流れやすくなります。
しかし乳化させて、さらさらになったということは、油脂分を分離するのではなく、水に溶けたように見えますが、油脂分をそのまま流してしまっています。
例えば、ドレッシングは冷蔵庫から出した直後は油と水分が分離していますが、振ると乳化して油と水分が混じり合います。
洗剤を使えばすぐに詰まりが解消されるかもしれませんが、乳化の効果が薄れて排水管の内部で油脂分が固まってしまうと、再度つまってしまうことも考えられます。
グリストラップの詰まりを解消する専用洗剤は、あくまでも応急処置として使用するようにしましょう。
グリストラップが詰まってしまった場合に、試してみたい応急処置をご紹介しました。
応急処置のみでは、また詰まってしまうこともあるため、早めに専門業者に依頼することをおすすめします。
専門業者に依頼した場合の処置方法は、どのようなものなのかをご紹介します。
多重ワイヤーとは、何本もの線材を巻いたワイヤーです。ヘッドにカッターや高圧ジェットが付いています。
太さが約6ミリから10ミリ、長さが約10メートルから20メートルと幅広く、硬さや材質などもいろいろな種類があります。
グリストラップが詰まったときは、排水管に多重ワイヤーを通して油汚れなどを取り除くことで、グリストラップの詰まりが解消されます。
頑固な汚れの場合は太いワイヤーが管を通らないこともありますが、細いワイヤーでは貫通した部分が狭いため、またすぐに再発することがあります。
業者により作業内容は異なりますが、詰まりが解消されたらそれで終わりではありません。
しっかり内部まで確認し、原因を特定してくれるような業者を見つけることをおすすめします。
排水管にたまった油脂分を取り除くために、高圧洗浄機を使います。高圧洗浄機は、排水管の中に癒着した汚れを水圧で取り除く方法です。
油汚れや生ゴミ、異物なども取り除くことができ、効果が高いのが特徴です。
高圧洗浄機で排水管の汚れを落とし、グリストラップ本体、仕切り板やバスケットなどの汚れも同じように高圧洗浄機で洗い流す洗浄方法です。
定期的な清掃の一つとして高圧洗浄機を使うと、詰まりを引き起こしにくくなります。
高圧洗浄機はホームセンターなどで購入できますが、水圧が弱いものであると油汚れを落とすことができません。
万が一、排水管を傷つけては大変なので、高圧洗浄機での清掃は業者に依頼するようにしましょう。
グリストラップが詰まってしまったときには、まず自分で応急処置をしましょう。それでも解消されなければ、業者に依頼することをおすすめします。
しかし、継続してグリストラップが詰まらない状態を保つことも大切です。そこで、詰まりを予防するためのポイントをご紹介します。
グリストラップは油汚れや生ゴミがたまっているため、「できるだけ清掃したくないな……」と思う人が多いです。
しかし、汚れが蓄積される前に、定期的に清掃することで詰まりを予防できます。
長期間放置していると1回の清掃に長時間がかかり、不快な思いをしたりしながら、掃しなければならなくなります。
また、清掃をしていないとグリストラップの機能が低下し、油脂分を分離していない排水が流れる原因になります。
生ゴミがバスケットにたまりすぎると、排水管まで流れてしまうこともあります。
他の清掃と同じように、グリストラップも普段から清潔な状態を保つようにしましょう。
グリストラップの清掃方法や、清掃道具について、以下の記事で詳しく解説しています。是非合わせてお読みください。
グリストラップは、第1槽から第3槽までの3槽構造になっています。
第1槽で、生ゴミなどを取り除き、第2槽で水と油脂分を分離、第3槽でさらに分離して油脂分を含まない水を下水道へと流します。
グリストラップは、生ゴミをキャッチする「バスケット」、槽を隔てる「仕切り板」、油脂分を取り除いた水を流すための「トラップ管」などの部品があります。
それぞれが大変重要な役割を果たしているため、部品が正しく付いていなければ水と油脂分を分離することができません。
グリストラップが詰まらないように、正しい位置に正しい部品が付いているかどうかを定期的に確認しましょう。
飲食店を開業しようと思ったときに、建物を建てるところから始めると、莫大な費用が生じます。
そこで初期費用を抑えるために、前に飲食店が使っていた物件を利用することが多くあります。
そのことを「居抜き」といいます。外装や内装がそのままの場合もあれば、改装直後のもの、これから改装が必要なものまでさまざまな種類があります。
居抜きの場合は、前の飲食店が使っていたグリストラップをそのまま利用することが多いでしょう。
設置するためには多くの費用がかかるため、居抜きで既に設置されていると費用面で助かります。
しかし、前の飲食店が清掃を怠っていた場合は、すぐに詰まってしまうことも考えられます。
開店早々、グリストラップが詰まった……ということになっては大変です。事前に、グリストラップの状況を確認しておきましょう。
グリストラップが詰まってしまうと、手間や費用がかかります。悪臭を予防するためにも、できる限りの対策はしていきたいです。
グリストラップの詰まりを予防するためには、どれくらいの頻度で清掃をすると良いのでしょうか?!
清掃する箇所や内容ごとに、目安となる頻度をご紹介します。
お皿に残った残飯などの生ゴミが、排水管やグリストラップに流れてしまうと、詰まりの原因になります。
生ゴミの流入を防ぐために、バスケットがありますが、ここに生ゴミがたまってしまったり、網の目にゴミが詰まってしまったりすると、水の流れが悪くなります。
バスケットにネットをかぶせておくと、ネットを交換するだけで、容易に生ゴミを取り除くことができます。
さらに綺麗な状態を保つために、網の目まで清掃することをおすすめします。
このような手順で、バスケットの清掃は、できる限り毎日行うようにしましょう。
グリストラップの第2槽と第3槽で、水と油脂分の分離が行われます。
油脂分には小さなごみが混ざっていることがあり、これも詰まりの1つ原因となります。
ひしゃくなどですくったり、専用のシートで吸着したりする方法で取り除きましょう。
また、植物性のものよりも動物性の油脂分のほうが固まりやすいため、特に気を付けて除去する必要があります。
油脂分を除去する作業は、できるだけ毎日行うことを推奨しますが、少なくとも2〜3日に1回は行うようにしましょう。
第1槽のバスケットに引っかからなかった、小さいゴミは沈殿していきます。
沈殿した汚泥は、悪臭の原因ともなりますので、油脂分のかたまり同様2〜3日に1回以上は除去作業をしましょう。
時間がたつと、ヘドロのような汚泥になるため、ひしゃくなどですくって除去するのが良いです。
トラップ管は、第1槽から第3槽までの工程で、沈殿物や油脂分を取り除いた後に、水が通る場所です。そのため、清掃頻度は、少なくても問題はありません。
トラップ管に蓋がある場合は蓋を外し、たわしなどでよく擦って汚れを落とします。
トラップ管内の清掃は、2〜3カ月を目安に行うようにしましょう。
グリストラップが詰まってしまうと、悪臭を放ったり、水浸しになったりすることもあります。ラバーカップや洗剤などを使って、自分たちで応急処置もできます。
しかし、間違った方法では、詰まりの悪化や破損につながる可能性もあります。最低限の処置をしたあとは、専門業者に依頼することをおすすめします。
どの飲食店でも油脂分を下水道に流さないように、水と油脂分を分離するグリストラップというものが設置されています。グリストラップが詰まってしまうと、悪臭を放ったり、水浸しになってしまったりすることもあります。グリストラップが詰まる原因として、生ごみの蓄積や油汚れ、異物混入などが考えられます。
グリストラップが詰まってしまうと、ラバーカップや専用の洗剤を使うことで、詰まりが解消することもあります。自分たちで応急処置もできますが、詰まりの悪化や破損につながらないよう、専門業者に依頼することをおすすめします。詰まりが起きてからではなく、予防のためにも定期的な清掃も行うようにしましょう。
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