コラム

近年、健康志向の高まりとともにサウナの人気が再燃しています。多くの人々がストレス解消や心身のリフレッシュを求めてサウナ施設を訪れる中、施設の質を左右する重要な要素の一つがスタッフの対応です。本記事では、サウナ施設管理者の皆様に向けて、スタッフ教育の重要性と教育制度構築のポイントについてご紹介します。

サウナ施設におけるスタッフ教育の重要性

サウナ清掃には明確な業界基準や規定がないため、多くの施設では開業時にマニュアルなどを用意せずに運営を始めます。そのため、スタッフ教育の際にも業務内容が曖昧のまま、独自の方法で教育進めてしまうことがほとんどです。施設が新しい開業当初はさほど問題にならないことが多いですが、開業から約1年ほど経過すると、主に清掃業務において、少しずつ問題が顕在化してきます。

例えば、サウナ内の匂いが気になってきたり、カビなどの汚れが目立ってきたり。
スタッフが正しい清掃ができていないことで、気づかないうちにサウナ内に汚れが蓄積してしまっているためこのような問題が少しずつ出てきてしまうのです。

また、清掃マニュアルなどの明確な指針がない中で働くスタッフは、自己流の清掃方法を習得してしまったり、作業を簡略化してしまうことがあるため、清掃の質が少しずつ下がってしまうなんてこともよくあります。

このような事態を防ぐためには、開業時から短時間で効率的かつ徹底的に清掃できる仕組みを構築し、しっかりとスタッフ研修を実施することが重要です。

サウナ施設で適切なスタッフ教育をするメリット

• 顧客満足度の向上
• スタッフ定着率の向上

スタッフ教育への投資は、短期的にはコスト面で倦厭しがちですが、長期的には施設の価値を高め、持続可能な経営を実現するための不可欠な要素です。

特にサウナの清掃については、清掃不足で汚れやカビがあると直接的に顧客満足度の低下につながってしまうため、重点的にスタッフ教育をしなければならない業務と言えます。

さらに充実した教育プログラムは、スタッフの成長を支援し、仕事への意欲を高めることでスタッフの定着率向上にもつながり、人材育成にかけた時間と費用を最低限に抑えることが可能です。

まずはマニュアルの作成を！

効果的なスタッフ教育を実施するためには、まず適切なマニュアルの作成が不可欠です。
特に清掃に関しては、サウナ施設特有の注意点や効率的な方法を明確に示したマニュアルが必要です。以下ポイントを確認しながら作成・運用をするようにしましょう。

1.清掃内容をまとめ、計画を立てる
日・月単位でどこを清掃するのか、何人でどれくらいの時間を使ってどのような清掃をするのかを明確にしましょう。

2.サウナ施設特有の注意点を明記
高温多湿環境での作業の注意点や、木材の取り扱い方など、サウナ施設特有の注意点を忘れずに記載します。

3.定期的な見直しと更新
定期的に作成したマニュアル通りに作業ができているのか確認し、できていないところはなぜできないのかなどスタッフとコミュニケーションを取りながらマニュアルをブラッシュアップしていきましょう。スタッフの意見を取り入れることでより、各施設に合った実用的なマニュアルになっていきます。

離職防止！スタッフ教育と評価制度はセットで考える

適切なスタッフ教育は、サービスの質の向上だけでなく、スタッフの離職防止にも大きく貢献します。スタッフのモチベーションを高く保ち、長期的に働きたいと思える環境を作るためには、適切な評価制度の導入も重要です。

評価制度を導入する際は、以下の点に注意しましょう。

1.明確な評価基準
まずは、個々の人材の働く目的や意思に合わせて適切な配属をしましょう。さらに、個々の人材別に分類し、それぞれに具体的な評価項目を設定します。これにより、スタッフは何を目指せばよいのかが明確になります。さらに、評価結果を賞与や昇給に反映させることで、スタッフの努力が報われる仕組みを作ります。

2.定期的なフィードバック
年に1回の評価ではなく、月次や四半期ごとにフィードバック面談を行うことで、スタッフの成長を継続的に支援できます。

3.改善点だけでなく良い点も指摘
コミュニケーションをとる際は、改善点を指摘するだけでなく、スタッフの良い点も積極的に評価します。これにより、スタッフの自信とモチベーションを高めることができます。

4.キャリアパスの提示
評価制度と連動して、将来のキャリアパスを示すことも重要です。例えば、一般スタッフからシフトリーダー、マネージャーへの昇進ルートを明示するなど、スタッフに成長の機会と目標を提供することも大切です。

適切な評価制度を導入することで、スタッフは自身の成長を実感し、仕事にやりがいを感じることができます。これは、離職防止につながるだけでなく、スタッフの自主的な成長を促し、サービスの質の向上にもつながります。

初期段階から仕組み化を

冒頭に説明したように、サウナ施設は施設自体が大規模でないことから、清掃に限らず、仕事内容が曖昧な取り決めであっても、マンパワーで1,2年は乗り切れてしまいます。短期的な成果に焦点を当てすぎると、長期的な運営の安定性や効率性を見失う失敗例は弊社も経験しています。

清掃に限らず仕組み化に取り組むことは労力を必要としますが、特定の人に依存しない仕組みを作ることで、人材不足の環境下でも、運営の安定性を高めることができます。

マニュアル作成は専門業者にお任せください！

弊社では、温浴施設の清掃経験を生かし、各サウナ施設様ごとにカスタマイズした清掃マニュアル作成の支援をしております。適切な時間や人数はどれくらいなのかなど温浴施設専門業者だからこそ活かせる知識や経験がありますので、是非一度ご相談いただければと思います。

まとめ

サウナ施設の持続的な成功には、適切なスタッフ教育が不可欠です。効果的な教育プログラムの構築と実施は、単なるコストではなく、施設の将来への重要な投資です。

せっかくなら施設を長く、キレイに維持していきたいと考えていらっしゃのであれば、ぜひとも初期段階の仕組みにする観点をもって清掃管理を考えていただけたら幸いです。