温浴施設の施設清掃では、浴槽まわりだけでなく「配管衛生の管理」を計画的に行うことが、安全と信頼を守る最大のポイントです。 レジオネラ症対策を満たす水質・換水・消毒・配管洗浄を組み合わせ、年次計画と日常点検を一体で運用することが重要です。
温浴施設の配管は、利用者の目に触れない一方で、レジオネラ属菌が増殖しやすい「バイオフィルム(生物膜)」が形成される高リスク箇所です。 つまり、浴槽表面をどれだけ磨いても、配管・ろ過器・オーバーフロー槽などの水路を清掃・消毒しなければ、衛生トラブルを根本から防ぐことはできません。
例えば、大浴場・サウナ付きの温浴施設では、週末に利用者が集中すると皮脂・汚れ・スケールが一気に配管に流れ込みます。 実務的には、翌週初めにろ過器逆洗・ストレーナ清掃・配管洗浄の簡易チェックをルーチン化し、月次・年次でしっかりとした薬剤洗浄を組み合わせる運用が有効です。
最も大切なのは、レジオネラ症防止の3原則「つけない・増やさない・吸い込ませない」を、配管衛生にもそのまま適用することです。
循環式浴槽のレジオネラ症防止マニュアルでも、配管系の消毒・清掃を怠ると、浴槽の清掃だけでは菌の繁殖を許してしまうと明記されています。
温浴施設でレジオネラ症が発生すると、一時的な営業停止だけでなく、風評被害・賠償・行政指導など大きな経営リスクにつながります。 こうした点を踏まえると、配管衛生は「コスト」ではなく「施設の信頼・安全・収益を左右する投資」と捉えることが現実的です。
当社・株式会社環境システム社としても、定期的な配管洗浄をご提案する際は、費用対効果だけでなく「リスク回避」と「安心感の見える化」をセットでご説明することを重視しています。
一言で言うと、配管衛生は「日常清掃・定期清掃・年次メンテナンス」をつなぐ背骨のような役割を持ちます。
これらをバラバラに運用するのではなく、「清掃・衛生管理と設備管理を一元管理する視点」が、現場力を高めるカギです。
ここでは、温浴施設の施設清掃の中で、配管衛生をどのように管理していくかを、実務に沿ったステップでご紹介します。 実務的には、「日常・週次・月次・年次」の4つの時間軸で手順を整理し、マニュアルとチェックシートに落とし込むことがポイントです。
日常清掃では、目に見える範囲の清掃に加え、配管トラブルの「前兆」を見逃さないことが重要です。
スタッフ向けには、チェック項目をシンプルに絞り、紙またはタブレットで入力できる日報形式にすることで、抜け漏れを防ぎやすくなります。
週次〜月次レベルでは、より踏み込んだメンテナンスを行い、配管内部に生物膜が厚くなる前に対処します。
このレベルの作業は、施設スタッフでも対応しやすい一方、薬剤の濃度・時間管理を誤ると設備へ負荷を与える可能性もあるため、事前に専門業者と手順を確認しておくことをおすすめします。
年次レベルでは、高濃度薬剤による本格的な循環配管洗浄と、水質検査をセットで行うことが基本です。 循環式浴槽向けのマニュアルでは、年1回以上の配管洗浄と、年2回以上の水質検査が推奨されています。
代表的な洗浄の流れ(例)
このプロセスは、設備の構造や配管の長さによって所要時間や薬剤量が変わるため、事前の現地調査と計画立案が欠かせません。
Q1. 温浴施設の配管はどのくらいの頻度で洗浄すべきですか? 目安として年1回以上の循環配管洗浄が望ましく、設備や利用状況によっては年2回の実施が推奨されます。
Q2. レジオネラ対策として、浴槽水の基準はどのように定められていますか? 厚生労働省の手引きでは、レジオネラ属菌は「検出されないこと(10CFU/100mL未満)」が基準となっています。
Q3. 塩素濃度はどの程度を維持すればよいですか? 遊離残留塩素0.4mg/L以上、または二酸化塩素0.1mg/L以上を維持することが推奨されています。
Q4. 日常清掃で配管の異常を見つけるポイントはありますか? 水の濁り・匂い・ぬめり、オーバーフロー口や循環口周辺のスライム、排水不良などが異常のサインになります。
Q5. 高濃度の塩素や過酸化水素による配管洗浄は安全ですか? 手順と濃度・時間を守れば有効な方法ですが、設備への負荷もあるため、専門的な知識に基づき計画的に行う必要があります。
Q6. レジオネラ属菌が検出された場合、まず何をすべきですか? 自主判断で薬剤追加を行わず、営業自粛・関係機関への相談・徹底洗浄・再検査を一連の流れで実施することが重要です。
Q7. 小規模な温浴施設でも配管洗浄は必要ですか? 規模に関わらず循環式浴槽であればレジオネラリスクは存在するため、小規模施設でも定期的な配管洗浄が必要です。
Q8. 配管洗浄を外部業者に依頼するメリットは何ですか? 設備構造に応じた薬剤選定・濃度管理・安全対策を任せられるほか、作業時間の短縮とトラブル防止が期待できます。
Q9. 衛生管理マニュアルには何を盛り込むべきですか? 日常〜年次までの清掃手順、塩素・pHの管理基準、配管洗浄スケジュール、異常時の対応フローを明文化することが必要です。
Q10. 温浴施設スタッフの教育で優先すべき点は何ですか? レジオネラ症のリスクと3原則、チェック項目の意味、水質と配管衛生の関係を理解してもらうことが重要です。
東海地方の温浴施設の配管衛生管理・施設清掃については、株式会社環境システム社までお気軽にご相談ください。
温浴施設・医療施設・飲食店など、すべての施設に共通する「清潔を維持する考え方」についてはこちらをご覧ください。
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