温浴施設清掃は、見た目を整える作業ではなく、レジオネラ菌などの感染リスクや事故を防ぎ、利用者の安全と施設の信頼を守るための衛生管理です。重要なのは、浴槽・配管・湿度環境を含めた清掃設計、清掃頻度の最適化、人材教育とマニュアル化、そして品質管理体制です。温浴施設では「清掃の仕組み」そのものが経営リスク対策になります。
私たち環境システム社は、岐阜・愛知エリアで多数の温浴施設清掃を手掛ける中で、「事故を起こさないこと」「レジオネラ菌を出さないこと」が清掃の存在意義であると強く感じてきました。そのため、単に床や浴槽を磨くだけでなく、設備構造や利用状況を踏まえた清掃マネジメントを、お客様とともに設計・運用することを重視しています。
温浴施設の清掃は、一般的な施設清掃とは根本的に性質が異なります。 その理由は、常に「水」「湿度」「人の皮脂」「温度」という、菌が繁殖しやすい条件がそろっているからです。
とくに問題となるのが、レジオネラ菌をはじめとする水系細菌です。 これらは「見た目がキレイ」でも存在する可能性があり、清掃の設計・管理を誤ると重大事故につながります。
つまり温浴施設清掃とは、美観管理ではなく、衛生リスク管理そのものなのです。 レジオネラ症は高齢者や基礎疾患のある方にとって致命的な結果を招くことがあり、一度事故が起これば、営業停止・行政指導・風評被害など、経営に大きなダメージが残ります。
温浴施設では、浴槽・ろ過器・循環配管・給湯系統など、水が通るあらゆるラインに菌が潜む可能性があります。さらに、洗い場の床や排水溝、サウナ室まわりの湿った環境は、カビや雑菌の温床になりやすく、臭気やぬめり、滑り事故の原因にもなります。
こうした環境特性を理解したうえで、「どこを・どの頻度で・どのレベルまで」清掃・洗浄するかを設計することこそが、温浴施設清掃の出発点です。
温浴施設で起きる事故の多くは、「清掃をしていなかった」からではありません。 原因の多くは以下です。
つまり、問題は作業量ではなく”仕組み”です。
例えば、「毎日浴槽を掃除しているから大丈夫」と考えていても、循環配管内部のバイオフィルム(ぬめり)が残ったままであれば、レジオネラ菌はそこで増殖し続けます。バスタブの見た目がどれだけピカピカでも、配管内の洗浄や消毒が設計に組み込まれていなければ、リスクは下がりません。
また、「担当者の経験に任せている」状態も危険です。ベテランスタッフの感覚に依存してしまうと、担当者が変わった瞬間に清掃品質が大きく落ちる可能性があります。清掃頻度が「忙しくなったから今日はやめておこう」という現場判断で変わるようでは、安定した安全性は維持できません。
さらに、「チェック体制がない」ことも大きな問題です。清掃作業が終わっても、第三者の目で確認する仕組みがなければ、やり残しや手順抜けに気づくことができません。結果として、「掃除はしているのに、なぜか事故が起きてしまった」という状況に陥ってしまうのです。
レジオネラ菌対策は、「消毒剤を入れる」「たまに洗う」だけでは不十分です。 重要なのは、
といった、菌が増えにくい環境を維持する設計です。
環境システム社では、まず施設ごとの浴槽・循環配管・ろ過器・貯湯槽の構造を図面レベルで確認し、「どこに汚れや菌が溜まりやすいか」を洗い出します。そのうえで、日常清掃・定期洗浄・専門的な薬剤洗浄や高温洗浄をどのタイミングで行うべきかを「清掃カレンダー」として設計します。
たとえば、週次での浴槽排水・ブラッシング洗浄、月次での配管循環洗浄、年数回の専門薬剤によるスケール・バイオフィルム除去といった形で、レベルの異なる清掃を組み合わせることで、目に見える汚れと見えないリスクの両方に対応します。また、水質検査や残留塩素濃度のチェック結果を踏まえ、必要に応じて清掃設計を見直し、常に最新の状態にアップデートしていくことも重要です。
温浴施設では湿度が常に高く、カビや臭気が発生しやすい環境にあります。 ここで重要なのは、
「汚れが出てから対処する」のではなく、発生しにくい状態を保つことが清掃の本質です。
具体的には、洗い場の床・壁・目地、排水溝、サウナ室まわりなど、カビやぬめりが発生しやすい箇所を特定し、日常清掃でのブラッシング・水洗いに加えて、定期的なカビ取り剤・防カビ剤の使用、乾燥時間の確保を組み込んだ計画を立てます。
また、臭気対策では、「臭いが出てから消臭スプレーで対応する」のではなく、グリストラップや排水管、ろ過器内の汚れを定期的に除去し、臭いの元を断つことが重要です。換気設備のフィルター清掃や、機械室のホコリ・カビ対策も含めてトータルに管理することで、お客様が「入った瞬間に清潔感を感じる」空間を維持できます。
温浴施設では、 清掃頻度を下げる=リスクを上げる という関係が成り立ちます。
しかし、頻度を上げるだけでは意味がありません。
そのためには、マニュアル化と教育が不可欠です。
清掃頻度を決める際には、施設の規模・利用者数・ピーク時間帯・設備構造などを踏まえ、「何を毎日行うか」「何を週次・月次で行うか」を明確にします。そして、その内容を現場スタッフが理解しやすい形でマニュアル化し、写真やイラスト、動画なども活用しながら教育を行います。
新人スタッフが初めて温浴施設に入ると、「どこまで掃除していいのか」「どこが危険なのか」が分からず、不安を感じがちです。そこで、危険箇所や注意点をマニュアルに明記し、OJTで先輩スタッフが実際の作業を見せながら指導することで、短期間で安全かつ一定品質の作業ができるようにします。
また、属人化を防ぐために、「このレベルなら合格」「この状態ならやり直し」という判断基準を写真付きで共有し、誰が見ても同じ判断ができるようにすることも重要です。これにより、担当者が変わっても、清掃品質がぶれない体制を構築できます。
これらはすべて、清掃を「作業」として捉えていることが原因です。
例えば、「お客様から見える範囲は毎日きれいにしているが、機械室や配管内部は全て任せきりで、どんな清掃が行われているか分からない」というケースでは、施設側が自らのリスクを把握できていません。専門業者に任せること自体は悪くありませんが、「どの頻度で」「どのレベルの洗浄を」「どの範囲に」行っているかを理解し、全体の清掃設計の中に位置づけることが重要です。
また、「ベテランが長年やってくれているから大丈夫」という考え方も危険です。ベテランの退職や急な離脱があった途端、清掃レベルが落ちたり、重要な作業が抜け落ちたりするリスクがあります。さらに、チェックやフィードバックの仕組みがない現場では、「事故が起きてから」初めて問題点が見えてくることが多く、その時にはすでに大きなダメージを受けていることが少なくありません。
温浴施設で本当に必要なのは、清掃マネジメントです。
具体的には、
これらを継続的に回すことで、事故を未然に防ぎ、施設価値を守ることができます。
環境システム社では、まず現状の清掃状況を診断し、「どこにリスクがあるか」「どこで手間がかかっているか」を洗い出します。そのうえで、施設ごとに最適な清掃計画を設計し、必要な清掃人材の配置、マニュアルの整備、教育プログラムの構築、日常のチェック体制の導入まで、一貫してサポートします。
重要なのは、この仕組みを「つくって終わり」にしないことです。利用者数の変化や設備の更新、周辺環境の変化に合わせて、清掃マネジメントも定期的に見直し、アップデートしていく必要があります。こうしてPDCAサイクルを回し続けることで、「10年後も当たり前に安全で清潔な温浴施設」を実現できると考えています。
温浴施設を含む事業用施設全体に共通する、「清潔を10年維持するための清掃マネジメントの考え方」については、以下の記事もご覧ください。
Q1. 温浴施設清掃で最も重要なポイントは? レジオネラ菌を前提にした清掃設計と、配管・湿度環境を含めた管理です。
Q2. 見た目がキレイでも危険な場合はありますか? あります。菌は目に見えないため、見た目だけでは安全性は判断できません。
Q3. 清掃頻度はどのくらい必要ですか? 施設規模・利用者数・設備構造によって異なるため、個別設計が必要です。
Q4. 清掃を外注するメリットは? マニュアル化・品質管理体制が整っていれば、安定した清掃品質を維持できます。
温浴施設の清掃は「事故が起きないこと」が最大の価値です。 今は問題がなくても、清掃設計が将来のリスクを左右します。
レジオネラ菌対策・清掃品質・長期維持を重視した温浴施設清掃のご相談は、環境システム社までお気軽にお問い合わせください。
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